ドリキャス対応のジョイスティックの作り方





注意
ここに書いてある事を実行するとメーカー保証が無くなるので実行するときは自己責任になります。
以下のページ内の情報はすべての製品に共通するものではありません。
ページ内の情報をたんまは保証しないものとします。(間違いがあった場合はご連絡頂けると幸いです)

巷じゃセガって会社は一般にどう見られてるのかは別問題として、ここ2年くらいのセガのソフトはすごく面白いのが多いと思います。
さて、今回はそんなセガに関係の深い改造です。

今回の改造はサターンのNEWバーチャスティックをドリキャスことドリームキャスト(Dreamcast)でも使えるようにする改造です。(たぶんその他のジョイスティックコントローラーでも可能だと思います)
・・・って言ってますが、今回のはちょっとずるいタイプでドリキャスのコントローラーを1つ使ってボタンを並列接続にするタイプです。
ドリキャスのLRトリガーがアナログな構造上、ちょっぴり難しくなってるんで解説兼ねての改造です。


改造手順:
注意点
L・Rボタンだけ他とは特殊な接続法を用いるので後でボタン配置変更が困難・・・という事です。
他のジョイスティックでも可ですが、今回載せたやり方では場合によってはできない場合もあることをご了承ください。
この改造はケースを加工するのですると元に戻らないのでその点もご注意ください。
ジョイスティックにもし連射機能等があっても、ドリキャス使用時には基本的にはそれは動作しないと思います。(推測)
文頭でも言いましたが、この改造によってドリキャスが壊れた等の損害の責任をたんまは背負わないものとします。


今回はドリキャスの本体にもついてくるこのコントローラーを使ってやってみようと思います。
ドリキャス標準コントロールパッド
ドリキャスパッドを開けます。
ボタン類はアナログスティックを初め全部外しておきます。
アナログスティックは2本、L・Rトリガーはネジを各1本づつ外すと外れる構造になってます。


丸で囲んだIC(OPアンプ)付近にあるR22、R23、R28、R29(いずれも「103」と書かれた)チップ抵抗を外します。
大まかな場所 抵抗の場所の詳細


D−sub25ピンメスコネクターに配線を行います。
この時、L・R以外のデジタルのボタンからは紙ヤスリを使って緑色の絶縁層を剥いでハンダ付けする必要があります。
それぞれのハンダ付けしたり絶縁層を剥がすポイントは写真を参考にしてください。
方向キー、Lトリガー Rトリガー
A、B、X、Yボタン スタートボタン


コネクターへの配線は配線図回路図を用意したのでそれを参考にしてください。
配線図はD−sub25ピンメスコネクターの裏側から見たものなので注意してください。
抵抗はユニバーサル基板を使い1Kオーム・110Kオームを配線させました。
コントローラーに直付けも出来なくは無いのですが、パターンを浮かせてしまう危険性が高いです。
配線本数が多いのでミスに注意してください。
A、B、X、Y、Rトリガー、スタートの配線後の写真 OPアンプに接続してる抵抗の基板
方向キーにLトリガー すべて配線が終わった所
配線図(手抜き) 回路図(手抜き)


適当な大きさのプラスティックの箱にコントローラーを入れます。
ビジュアルメモリーに表示される内容の事もあるのでスケルトンの箱にしてみました。
入手先は100円ショップのダ○ソーです。
写真ではわかり易くするためにしてませんが、抵抗110K・1Kオームの回路に何かしら絶縁対策をしておいてください。 最後にD-subコネクターをしっかりとネジを使って箱に組み込んだらコントローラーユニットの完成です。
完成したコントローラー部


バーチャスティックを分解します。
ドリキャスのL・Rボタンボタンを割り当てる場所を決めます。(今回はZとCの位置)
L・Rボタンにする予定のところを元々のGNDパターンと共有しないようにします。
今回はハンダ吸い取り機などを使ってボタン側のハンダを全部取り除き、基板の手前でボタン端子を曲げる方法を用いてます。
むやみに曲げると折れるので注意してください。
そこに導線をハンダ付けしておきます。(少し長めの導線がいいです)
Z、Cボタンを独立させてる所 Z、Cボタンを独立させてる所のアップ


ボタンを基板にハンダ付けし、D-sub25ピンオスに次のように配線します。
L・Rボタン予定のさっき導線を通した所だけは次のようにスイッチに配線します。
このスイッチはL・Rボタン予定の所と他のボタンを独立させるものです。共有してると誤作動の原因になります。
共有させないために付けた2回路2接点スイッチ すべての配線が終わった所。
配線図(手抜き) 回路図(手抜き)
L・Rボタン予定の所だけの回路図
C、Zボタン周辺のみの回路図


配線が完了したらD-sub25ピンコネクターをネジなどでしっかりと固定してください。
固定が終わると完成です。
一応組み立てが終わったら配線に間違いが無いか厳重に注意してください。
ドリキャスに繋ぐ前に写真の所に5Vの電源を入力させてやってOPアンプからのL・Rボタンの入力情報を確認するといいかと思います。 2ピンがVcc(+5V)、3・4ピンがGNDのようです。
コントローラーのコネクターのドアップ

ボタンが押された時で3V、何も押してない時に0.6Vくらいの出力があると思います。
もし、ボタンを押した時、何もボタン押してないのに5Vとかの出力が出てればどこかにミスがあるので確認しなおしてください。
OPアンプ出力場所


完成〜♪
使用時の注意点ですが、ドリキャスで使う時は絶対サターンの本体にコントローラーが繋がってない状態で使用してください。
また、逆も同じでサターンで使う時はドリキャスに絶対繋がってない状態で使用してください。
コントローラーが正常に動かないだけでなく、最悪、本体を壊し兼ねません。

製作した物


使った物リスト
部品名 個数
ドリキャス標準コントロールパッド
NEWバーチャスティック
D−sub25ピンコネクターオス
D−sub25ピンコネクターメス
D−sub25ピンオス・メスのストレート全結線ケーブル
スイッチ(2回路2接点)
抵抗・110kΩ
抵抗・1kΩ
ユニバーサル基板 適量
プラスティックの箱(ドリキャスコントローラーを入れるのに使用)
ネジ(D-subコネクターに合う物を)
導線 適量


解説:
コントロールバッドの基板構成を説明します。
全体写真です。
右下に見えるのがコントロールパッドのバスチップです。
1チップでコントローラーの入力信号の他にビジュアルメモリーやシーマンの音声認識ユニットなどの拡張ユニットなど、
コントローラー以下に繋がれた物の処理をしてると思われます。(詳細不明)
コントローラー基板の全体

キー入力装置:
デジタル部分は炭素か何かはよく知りませんが、ゲーム機ではごく普通の導電ゴムを使った方式です。
アナログ部分はホール素子を使って磁気の量で感知してます。
そういや、ホール素子って無接点で計測できるんでこれからの色々な分野で期待されてる入力デバイスだったりします。
ホール素子のドアップ

コントローラーポート:
今回は調べていません。


今回の改造の仕組み:
左下と左上に見えるIC、これはOPアンプでアナログ入力部の信号を増幅する役目をしてます。
ホール素子の出力する電圧はmV。
これではチップが認識するのには低すぎるので、OPアンプで電圧を上げてるみたいです。
JRCのオペアンプ
(写真 3.17 003)
今回の改造のポイントのLRに着目します。
LRトリガーのホール素子の配線を追って行くと解りますがLRは「IC4」とシルクで印刷されたパッド左下のOPアンプへと繋がってます。
このOPアンプ(っていうか、殆どのOPアンプがそうなってるが・・・)は、1ピンと7ピンが出力ピンで、1ピンはR、7ピンはLの出力値のようです。
出力のポイント

ちなみに、たんまがOPアンプの出力から測定した値は次の通りです。
待機時(ボタンが押されてない時) 0.6V
動作時(ボタンをいっぱいいっぱい押した時) 3.2V
ボタンの押し具合にによってこの電圧の間のそれぞれの数字になります。


オペアンプいうのは差動入力で出力の値が決まってます。
差動入力というのは、オペアンプは+と−の入力端子があり、+か−、入力の電圧の大きい方の+か−に増幅されて出力されます。
出力の値はその時の+と−差で決まるので、今回の行った改造は片側の入力値を変更する事によって出力を変更するというものです。
どうしてコネクター接続する理由ですが、結論から話すとコネクター接続にしないで常時、ドリキャスコントローラーを接続すると今度はサターンのコントローラーとして使えなくなるのです。
原因は、たぶんサターンのはボタン間の抵抗が数Mオームであるのに対し、ドリキャスのは数Kオームであるのが原因だろうと思ってます。
上記の推測が正しければボタン間に全て数Mオームの抵抗を入れる事で解決しそうですが、
1つ1つにそうするのはかなり面倒なんで諦めて、使用時のみ接続する端子にての接続型にしました。
それに、ビジュアルメモリーとかドリキャスの周辺機器も使えなくなりますし、この方が後から色々な機種にも対応し易いので。


製作段階の話しですが、最初はOPアンプからの出力を5V→3Vまで下げる実験をしてました。
ダイオードやら抵抗を2本使う方法やら色々考えてましたが、こっちの方法だとホール素子やOPアンプを無視した形になってしまい、スマートに改造できないと思ったので中止。
今回書いた方法がピンへの配線の手間はあるものの、抵抗4本でできるんでスマートだと思い載せました。
たんまはバーチャファイターっ子なんですが、まぁ、改造するきっかけのVF最新作のVF4はプレステ2に行っちゃいましたが、
結局僕も世間の波に妥協して、しぶしぶプレステ2本体買ってVF4も買うようになるだろうし、そうなったらこのコントローラーをプレステ2対応にしてみるのかもしれませんね。




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